2020年7月20日

悩ましい!? 新しくなったGibson レスポール スタンダード 2020

2020年モデルよりGibson USAの製品(レギュラー製品)のモデルチェンジと分類が大きく刷新されました。
個人的に注目したのは、Gibsonの主力製品であるレスポールの2020年のモデルチェンジ。

レスポールの中でもフラッグシップモデルである、レスポール スタンダードと伝統的なレスポールのスペックを継承したレスポールトラディショナルは以下のように変わったようです。

旧)レスポール スタンダード → 新)レスポール モダン 
旧)レスポール トラディショナル → 新)レスポール スタンダード 50's、60's


    

製品カテゴリもモダンコレクション、オリジナルコレクション、アーティストコレクションと分類がされました。

モダンコレクション:レスポール モダン
オリジナルコレクション:レスポール スタンダード 50's、60's
アーティストコレクション:スラッシュ レスポール スタンダード

ライバルのフェンダーでいうところの、オリジナルシリーズとウルトラシリーズみたいな感じですね。

色々と遡ってギブソンのレスポール スタンダードの歴史を調べてみると、レスポール スタンダードって1958年から途中、生産中止とかあったりしたものの、一つの代表的なモデルとして今に至るまで延々と続いてたのかと思いきや、2000年以降?(2003年モデル?)頃からレスポール スタンダードというモデルは変化し始めたようです。

2003年頃?にレスポール スタンダードは伝統的なスペックで50'sレスポール スタンダードと60'sレスポールスタンダードとに分かれたようです。
(Gibson原点回帰の年?)

2008年になりレスポール スタンダードは近代的なスペックが盛り込まれた形で再登場、 50's/60'sレスポール スタンダードはレスポール トラディショナルに生まれ変わりました。

2012年以降は、Gibson USAのレギュラーラインのレスポール スタンダードの位置付けは現代向けに進化させたスペックのレスポールとして仕様変更が頻繁に行われました。

-チェンバードウェイトリリーフボディ(2008-2012)
-モダンウェイトリリーフボディ(2012-2016)
 ウルトラモダンウェイトリリーフ(2017-2019)
-左右非対称ネックグリップ
-グローバーのロックペグ
-ピックアップ:バーストバッカーPro
-4つのプッシュ、プルポットでのコイルタップ、フェーズスイッチ等。

ざっくりと上記が基本的な仕様だと思いますが、2012年以降、1年毎に大きいことから小さいことから仕様変更が行われ、2015年はロボットチューナーの搭載と0フレット、2017年は通常モデルとHPモデルの分離や、ジョイントのヒールカット等々、かなり色々な新しい技術やパーツを詰め込み演奏性の向上を図られてきました。

なので、レスポール モダンという名前に変わったとしても違和感はないかな。

レスポール トラディショナルについては伝統的な59年のレスポール スタンダードのスペックを追うのが主な仕様になっています。

-ソリッドボディ(2016は除く)
-太ネック
-クルーソンペグ
-ピックアップ:57クラシック、
                             バーストバッカー1,2(2017〜)

多くの人はこっちのトラディショナルのほうが王道のレスポールの仕様となるでしょう。
今回2020年のモデルチェンジも伝統的なスペック、黄金期のバーストに憧れるユーザと、ギブソンとしての新しいトレンドを打ち出したいメーカサイドの思惑が長年揺れ動きつつ、一つの新たな結論となったのでしょう。

僕自身レスポールといえば往年のスペックのトラディショナルの方をイメージしているし、むしろ、そっちを買いたかったほうの部類です。
でも実際、僕が所有しているのはレスポール スタンダード2013年モデル(2012年製)です。


その時にトラディショナルではなく、スタンダードを買った一番?の理由は、単にレスポール スタンダードって名前だから。
1959年製か2013年製かは別にして、ギブソン レスポール スタンダードっていう名前のギターでギブソン レスポール スタンダードの音に違い無いからということです(笑)。

なので、今回の新しいレスポールスタンダード 50's,60'sはスペック的に手に入れたいなと気になっております。

今回色々と調べる中で一つ気になったことがあります。
今回のレスポール モダンもレスポール スタンダード50's,60'sもネックのジョイントがロングテノン(ディープジョイント)の仕様はなくなってたようです。

Ultra Modern Weight Relief
Ultra Modern Weight Relief

それぞれの写真のネックポケットの形状を見るとわかりますが、
元々レスポール トラディショナルはロングテノンではなかったので今まで通りと言えば今まで通りです。(上段写真一番左)
レスポール スタンダード(2013-2016)はモダンウェイトリリーフだけどロングテノンでした。(上段写真の一番右)
今回のレスポールモダン等で採用されるウルトラモダンウェイトリリーフ(下画像)はロングテノン(ディープジョイント)ではなさそうです。

正直な所、ディープジョイントだと良いとか悪いとかどれだけ違うのかなんて全く知らないし、賛否両論のようなので別に気にしないですけど、気が付けば2017年のウルトラモダンウェイトリリーフからGibson USAのレギュラー品からはロングテノン仕様が無くなってたっていうことですかね?

生産の効率化やコスト的な部分は変わってくるんでしょうけどねー。