2025年4月13日

Gibson アコースティックギター メーカー標準の調整方法、基準となる弦高等調整値は?

 Gibson製アコースティックギターのメーカー標準セットアップについて調べてみました。


Gibsonはエレキ・アコギ共にGibsonサイトのサポート情報や製品に同梱のオーナーズマニュアルに工場出荷調整時の基準とする弦高が記載されています。双方で記載された数値が微妙に異なる箇所もありますが弦高に関する記載内容をインチ・mm表記で以下にまとめます。

1フレット上の弦高

1弦 1/64inch = 0.397mm

6弦 2/64inch = 0.794mm


12フレット上の弦高

1弦 4/64-5/64inch = 1.588-1.984mm

6弦 6/64-7/64inch = 2.381-2.778mm

ちなみに私はこのチェックを行うのに、こんなストリングアクションゲージというものを使っています。


ギター/ベースの弦高を調整する際に便利な弦高ゲージ、DADDARIO/PW-SHG-01 STRING HEIGHT GAUGE。ステンレススチール製のコンパクトなサイズで携帯にも便利です。弦高のみならずピックアップの高さや、ネックの反り具合の確認などの計測にも利用できます。>
■弦高ゲージ>
■ステンレススチール製>
■数値表記:インチ/ミリ両方>
■コンパクトサイズで携帯にも便利>
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また、Gibsonのギターは5/16インチの純正トラスロッドレンチが付属します。市販の5/16インチのボックスレンチだとナットとザグリの隙間が狭く個体によって入らない場合があるようなのでご注意下さい。

最後に

これまでにGibsonのエレキもアコギを幾つか買いましたがどれもお店で買った時点で弦高はけっこういずれも先ほど述べた弦高のスペックよりも低目でした。

アコギだと大体1弦で1.5mm、6弦で2mm位です。

これはお店のセットアップによるものなのか分からないんですが基本的にGibsonを新品で買うと弦高は低いイメージがあります。

是非お店で試奏する際に確認してみて下さい




2025年4月12日

初心者にリトルマーチンをオススメしない理由

 私が初めて買ったアコギはリトルマーチンです。

買った理由は、とりあえず安くて小さいし一応マーチンのアコギだしそれなりの音が出て弾きやすそうだったから…

今はフルサイズのアコギをいくつか所有していてもちろん今もリトルマーチンは持ってるんですけど他の色んなギターを所有してみて思うのは、決してリトルマーチンはアコギ初心者が買うべきギターではないとつくづく思います。

その理由を以下に述べていきます。

弾きにくい

ボディが小さく、スケールが短く、弦長が短い為弦のテンション(張力)が弱く手の小さい女性、お子様でも弾きやすい、云々…

ボディが小さくスケールも短いとこまでは正しいと思います。

それと手の小さい人に向いているというのも正しいと思います。

ただ、弦のテンション云々はかなりキツイです。

何故ならスケール(弦長)が短いと音や音程に影響するので通常のギターよりワンランク太い弦(ミディアムゲージ)が標準で張られています。

短いスケールで太い弦だと押弦するととても硬く感じます。例えるなら細い棒があったとして長い棒なら押してしなりを感じますが短くすればするぼどしなりは感じにくくなります。

そんな理由で弦のテンションがきつく感じます。

そして工場出荷直後の弦高は6弦で2.5mm程ですが同じく弦長が短いと高く感じます。

特にアコギで良く使う、そして初心者には難関となる1フレット、Fのポジションの弦高はとても押さえにくく感じます。結局ナットの高さは普通のギターの普通の高さなのに加えすぐその隣の1フレット弦を抑えるとなるととても弦が固く、弦高は高く感じます。

なので結論としては普通のサイズのギターと比べとても弾きにくいということです。

弦細くすると多少は弾きやすくなるかもしれませんが音はかなりしょぼくなるそうで、あまり良い改善策とはいえません

音が…

小さくても音はマーチンの音がすると言われています。

確かにそうなんですが、やはり音はフルサイズのアコギと比べると雲泥の差です。

指弾きならばともかくピックで弾くと綺麗に響くのではなくうるさく唸るもしくはがなるように鳴ります。

フルサイズのアコギと比べ音量は小さ目ではありますが、ピックでガシガシ弾くとそこそこの音量が出ます。

ただ普通のサイズのギターと比べると音色の差は歴然としてきます。

決して良い音色のギターだということではありません。

価格が…

他のミニギターや安価な価格帯のギターと比べてやはりマーチン製ということもありちょっとお高めです。同じ値段を出すなら選択肢はもっとあります。

どんな人にリトルマーチンはおススメなの?

旅行とかに持っていくにはとても良いです。

HPLという素材なので普通の木材よりも耐環境性はありそうです。

普通のアコギは持っているけど、リビングやベッドサイドにゴロっといつでも爪弾けるギターとして置いておきたいという人にはとても良いと思います。

あとはギターは弾かないけどインテリアとしてとりあえずかわいいギターを置くとかもありかも知れません・・・

では初心者におススメのミニギターは?

とりあえずリトルマーチンが欲しいと思った方はもう少し高いのですが、もう一回り大きいマーチンのジュニアシリーズをおススメします。

ドレッドノートJr

000jr

音色も弾きやすさも別次元で全然リトルマーチンよりも良いです。

他にも、同じ位の大きさで世界中で大人気で高評価のテイラーGSミニシリーズというのもあります。

テイラーGS Mini

こちらも同じように演奏性や音色が優れています。更にNTネックジョイントというのを採用しネック周りの修理のメンテナンス性が優れています。

他にも良いギターはあるかも知れませんが、上記に挙げたギターは私も実際に試奏してますので間違いはないと思います。

多くの楽器屋さんにも置いていると思いますので試してみて頂くことをおススメします!

2025年4月1日

Taylor Guitars アコースティックギター メーカー標準の調整方法、基準となる弦高等調整値は?

 テイラー製アコースティックギターのメーカー標準セットアップについて調べてみました。

テイラーは他のギターメーカーと違ってあまりギターの調整をユーザーにやらせたくないのかトラスロッドレンチは付属していないし付属のオーナーズマニュアルを読んでも調整についてあまり触れられておらずHPを見てもそういった情報が見当たらない気がします。

ネットを探してみるとUnofficial Taylor Guitar ForumというサイトでTaylor Factory Spec Sheetなるものを見つけました・

この資料にはテイラーの全てのギターの工場出荷時の標準セットアップについて記載があるのですが、今回アコースティックギターのセットアップ基準値について日本語でまとめます。

1フレット上の弦高

1弦 0.019inch = 0.48mm

2弦 0.020inch = 0.50mm

3弦 0.022inch = 0.55mm

4弦 0.022inch = 0.55mm

5弦 0.022inch = 0.55mm

6弦 0.025inch = 0.63mm

ナット高さ

フィンガーボードから 0.075-0.085inch = 1.9-2.1mm

12フレット上の弦高

-DN,GO,GS タイプ

1弦 0.060-0.070inch = 1.52-1.77mm

6弦 0.090-0.100inch = 2.28-2.54mm

-GA,GC タイプ

1弦 0.050-0.060inch = 1.27-1.52mm

6弦 0.080-0.090inch = 2.03-2.28mm

ネック角度

ネックを下から見て、1~14フレットで形成される水平面がブリッジの上面と正確に揃っている必要があります。

DN/GO 6弦 - より高い弦高を実現するために、角度をブリッジ面よりわずかに下に設定します。

ネックリリーフ

0.004-0.007inch = 0.1-0.17mm


上記が工場出荷時のスペックシートに記載されている数値となります。

ネックリリーフ、トラスロッド調整についてテイラーのサイトに記載があります。

1フレットと14フレットを押さえ6フレットの隙間を見るとのことです。


ちなみに私はこのチェックを行うのに、こんなストリングアクションゲージというものを使っています。


ギター/ベースの弦高を調整する際に便利な弦高ゲージ、DADDARIO/PW-SHG-01 STRING HEIGHT GAUGE。ステンレススチール製のコンパクトなサイズで携帯にも便利です。弦高のみならずピックアップの高さや、ネックの反り具合の確認などの計測にも利用できます。>
■弦高ゲージ>
■ステンレススチール製>
■数値表記:インチ/ミリ両方>
■コンパクトサイズで携帯にも便利>
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サウンドハウスで見る



また、テイラーのギターはトラスロッドレンチが付属していなので別途購入する必要があります。1/4のボックスレンチですが、テイラーのギターはナットとザグリの隙間が狭いようで市販のレンチだと個体によって入らない場合があるようです。値段は高いですが純正のトラスロッドレンチは肉薄になっており間違いなく使えるとのことです。


最後に

テイラーのギターは他の一般的なアコースティックギターと異なりNTネックシステムというボルトオンのネックジョイント構造になっていてネックを外しネックポケットのシムでネック角度を変えて弦高調整を行います。

なので工場出荷時のセットアップはあくまで状態を判断比較する基準として見て調整は専門のテイラー認定リペアサービスに修理調整に出すのが良いと思います。

購入したお店がテイラーの正規代理店であればお店で対応してもらえるかも知れません。私の場合は地元のテイラーの正規代理店の楽器屋さんで購入しましたが、買ったお店に持ち込んでその場でシムのネック交換をやってもらえました。

買った時はネックがかなり真っすぐでローポジの弦高は低くかったのですが、押さえるフレットが上がると弦の鳴りが悪く12Fの弦高も1弦1.7mm、6弦2.5mmと決して低くはなかったので、今回ネックをやや順反りにし、ネック角度の調整で1弦1.5mm、6弦2mmに調整してもらえました。シムを2番手程変えたそうです。

また今回は話題として書いてませんが、サドルを下手にいじるとES2ピックアップに影響するようでこの辺りも基本的には他のギターと異なるようです。

なのでこういった調整、修理のことも考えるとテイラー認定リペアが行える正規代理店でギターを購入されるのが安心です。

テイラー認定リペアセンターを探すと新宿にあるArtist Lounge Tokyoが有名なのですが、ここでなくてもテイラーの正規販売代理店でテイラーサービスセンターの表記がないお店でもシム等のリペア可能なお店がありますのでまずはお店に聞いてみるのが良いと思います。

正規代理店のリンクも載せておきます。https://jp.taylorguitars.com/dealers

2025年2月2日

これで最後のGibson MNG!? J-35 faded 30's

 昨今、色んな物の値上げが半端ないですが、ギターも同様で、事ある都度値上げ、また値上げという状況の中、Gibson J-35faded 30'sをつい衝動買いしてしまいました。

実際にこれを買ったのは2024年の冬で、おそらく値上げ前価格で仕入れた商品がセールになっていたようで、とてもお買い得に思いついポチっと買ってしまったという感じです。

元々J-35はJ-45の廉価版的な位置づけで何年かの間はJ-35は20万円以下の価格帯でしたが今や20万円台後半の価格にまで値上がりしました。

昔はグロスフィニッシュだったのが今回のはFeded 30'sはFededというサテン仕上げということを考えれば内容的にも昔と比べコスパが下がった印象があります。

ハードケースも付属し、そしてケースを開けるとあのGibsonギター独特のいい匂いもするし、決して廉価なギターという立ち位置ではないのですが、やはりGibsonと言えばまずはJ-45が定番ということで高くてもJ-45を選ぶ人が多いんでしょう。

しかしこのブラウンのハードケースは高そうに見えます。


しかしこのJ-35、見た目として、やはりヘッドの旧スクリプトロゴとオープンタイプのペグがとてもカッコ良いのです。そして30'sだからなのかわからんですが、ネックはかなり太い。まん丸の丸太のようですが、弾き難さはあまり感じません。むしろ愛らしくも思えます。多分Gibsonレスポールスペシャルのラウンデッドという太目のネックシェープと同じ位か気持ち太目ですが握りはまん丸な感じでとても手にフィットします。

そして思うのはGibsonのアコギは弾きやすいと感じます。今回のJ-35は6弦高さが2.2mm、1弦高さが1.3mm程とGibsonのエレキギターの出荷時の調整値より6弦が多少高い位?なのでエレキとの持ち替えも違和感がなくて良いですね。

今までGibsonアコギを欲しいと思ったことは無かったんですが、以前に廉価版のG-00を中古で買ったら弦高がエレキ並みで弾きやすかったのでそれ以降Gibsonのアコギが大好きになったという感じです。

Gibsonは作りが雑とよく言われますが、確かにエレキで一番安いレスポールスペシャルトリビュートは指板サイドはでこぼこで指板表面もガサガサだったりでしたが、アコギは廉価版のG-00も今回のG-35もとても綺麗で滑らかです。なのでエレキの方のナッシュビル工場は仕上げがワイルドだけどアコギのモンタナ工場は全然違うのかもしれません。

あとは個体差が激しい、近年物は鳴らない、当たりはずれが激しいetc言われます。実際にお店の在庫での比較動画等で個体差は感じますが、それ気にしだすともはや買えないので余程の問題が無い限りは気にしません。

Youtubeで幾つかJ-35の動画をチェックしましたが音は大体同じ感じで、J-45がちょっと膜が掛かったようなすっきりまとまった音という感じに対しJ-35は音がワイルドかつグラッシーな感じというか張りつめた響きという感じです。

一つ気になったのは、指弾きで指が弦にヒットしたときにボスっていう音が出るように感じます。やはり他のギターよりもパーカッシブなギターでより低音が出るってことなんだと思うのですが逆に弦の鳴りがボディのボスって音に多少埋もれてしまい、人によってはこの辺りがGibson鳴らないという印象になっているのかな?という気もしました。

自分の場合、自宅では思いっきり鳴らせず基本指弾きなのでそう感じるのか・・・でも音も気に入ってるしその辺りは全く不満はありません。

唯一不満があるとすればフルサイズのアコギということでG-00と比べるとボディサイズもボディの厚みも一回り大きいので座って弾くのに弾きにくい位かな・・・

そしてこのFeded仕上げについては乾拭きとかして艶を出していけばビンテージっぽくなるのかな?おいおい試してみようと思います。