テイラー製アコースティックギターのメーカー標準セットアップについて調べてみました。
テイラーは他のギターメーカーと違ってあまりギターの調整をユーザーにやらせたくないのかトラスロッドレンチは付属していないし付属のオーナーズマニュアルを読んでも調整についてあまり触れられておらずHPを見てもそういった情報が見当たらない気がします。
ネットを探してみるとUnofficial Taylor Guitar ForumというサイトでTaylor Factory Spec Sheetなるものを見つけました・
この資料にはテイラーの全てのギターの工場出荷時の標準セットアップについて記載があるのですが、今回アコースティックギターのセットアップ基準値について日本語でまとめます。
1フレット上の弦高
1弦 0.019inch = 0.48mm
2弦 0.020inch = 0.50mm
3弦 0.022inch = 0.55mm
4弦 0.022inch = 0.55mm
5弦 0.022inch = 0.55mm
6弦 0.025inch = 0.63mm
ナット高さ
フィンガーボードから 0.075-0.085inch = 1.9-2.1mm
12フレット上の弦高
-DN,GO,GS タイプ
1弦 0.060-0.070inch = 1.52-1.77mm
6弦 0.090-0.100inch = 2.28-2.54mm
-GA,GC タイプ
1弦 0.050-0.060inch = 1.27-1.52mm
6弦 0.080-0.090inch = 2.03-2.28mm
ネック角度
ネックを下から見て、1~14フレットで形成される水平面がブリッジの上面と正確に揃っている必要があります。
DN/GO 6弦 - より高い弦高を実現するために、角度をブリッジ面よりわずかに下に設定します。
ネックリリーフ
0.004-0.007inch = 0.1-0.17mm
上記が工場出荷時のスペックシートに記載されている数値となります。
ネックリリーフ、トラスロッド調整についてテイラーのサイトに記載があります。
1フレットと14フレットを押さえ6フレットの隙間を見るとのことです。
ちなみに私はこのチェックを行うのに、こんなストリングアクションゲージというものを使っています。

■弦高ゲージ>
■ステンレススチール製>
■数値表記:インチ/ミリ両方>
■コンパクトサイズで携帯にも便利>
>
サウンドハウスで見る

最後に
テイラーのギターは他の一般的なアコースティックギターと異なりNTネックシステムというボルトオンのネックジョイント構造になっていてネックを外しネックポケットのシムでネック角度を変えて弦高調整を行います。
なので工場出荷時のセットアップはあくまで状態を判断比較する基準として見て調整は専門のテイラー認定リペアサービスに修理調整に出すのが良いと思います。
購入したお店がテイラーの正規代理店であればお店で対応してもらえるかも知れません。私の場合は地元のテイラーの正規代理店の楽器屋さんで購入しましたが、買ったお店に持ち込んでその場でシムのネック交換をやってもらえました。
買った時はネックがかなり真っすぐでローポジの弦高は低くかったのですが、押さえるフレットが上がると弦の鳴りが悪く12Fの弦高も1弦1.7mm、6弦2.5mmと決して低くはなかったので、今回ネックをやや順反りにし、ネック角度の調整で1弦1.5mm、6弦2mmに調整してもらえました。シムを2番手程変えたそうです。
また今回は話題として書いてませんが、サドルを下手にいじるとES2ピックアップに影響するようでこの辺りも基本的には他のギターと異なるようです。
なのでこういった調整、修理のことも考えるとテイラー認定リペアが行える正規代理店でギターを購入されるのが安心です。
テイラー認定リペアセンターを探すと新宿にあるArtist Lounge Tokyoが有名なのですが、ここでなくてもテイラーの正規販売代理店でテイラーサービスセンターの表記がないお店でもシム等のリペア可能なお店がありますのでまずはお店に聞いてみるのが良いと思います。
正規代理店のリンクも載せておきます。https://jp.taylorguitars.com/dealers