2018年2月25日

フレットを磨いてみた!

こないだ初めてフレットを磨いてみました。
フレットなんて磨かなくてもチョーキング、ビブラートをやるフレットはどうせ弦と擦れて磨かれるし磨かなくてもいーや!と思って今迄一度も磨いたことなんてなかったんですが、かなりフレットが曇って変色気味なのでフレットの輝きを取り戻してみようと思います。

今回フレット磨きの為に用意したグッズはこれ。

フレット磨き用ゴム砥石

HOSCO フレットポリッシャー #1000
砥石の荒さで#400番と#1000番の物がお店にありましたが、#1000番がオススメとのことだったのでこれを購入。
\1,000円でした。

フレット磨きプレート

KC PFB-500
他の人のブログでクリアケースを切って自作されている方がいて真似して家にあったクリアケースを加工してみたのですが、使ったのが柔めのクリアケースだった為、磨きにくく、結局をこれを購入。鉄で出来てます。
\500円です。

フィンガーボード用オイル

Big Bends Fret Board Juice
\600円
ミネラルオイルのフレットボード用オイルです。
今まで年に1-2回程、指板にレモンオイルを塗ってたのですが、どうもレモンオイルはフレットを酸化、腐食させてしまうようです。
確かに一度もレモンオイルを塗ったことのないメイプル指板のギターとレモンオイルを塗ってたローズ指板のギターを比べると塗っていないレモンオイルを塗っていたギターのほうが変色が酷いです。

マーティンはメンテナンス方法としてのレモンオイルの使用には否定的で、ギブソン等も含め米国のギターメーカーでは指板の保湿には手の油かミネラルオイルを塗れとしているようです。
オレンジオイルについては酸化に加え、粘着物を溶かす成分があるのでポジションマークやバインディング等接着材を使用している箇所への使用はよくないようです。

そんなわけで成分がミネラルオイルだけで出来ているBig Bends Fret Board Juice
をチョイス。

フレットの磨き方

磨きかたといっても、特別なことは何もありません。
下の写真は作業中の写真取り忘れたんで、作業後に写真とった為、弦を装着されたままですが、フレット磨くときはもちろん弦を全部はずしますよ!

フレット磨き用のプレートをフレットにはめ、砥石でフレットをこすります。
こするといってもゴシゴシ小刻みに擦るのではなく、このゴム砥石の面がフレット面全体にあたるように大きなストロークで磨きます。
上面だけでなく、フレットの側面も同じように磨きます。

このプレートは幅広と幅狭の2種類のプレートが入ってますが、細いほうでもこんな感じで22フレットにはまります。
この写真のギターのフレットサイズはミディアムジャンボです。若干の余裕があるのでもっと幅広のフレットも問題なさそうです。

下の写真は磨いた後です。
写真では分かりにくいですが、グレーにくすんだ状態から輝きを取り戻すことが出来ました。
磨いた際に若干、黒い削りカスが出ますので。下に何か敷いて磨き、磨き終わったら掃除機で吸い取ったほうが良いかもです。
仕上げに指板オイルを塗って完了です。

フレット磨きの効果

磨いて見た目はピカピカになる以外の効果としてはフレットの表面がツルツルなので、チョーキングのスムーズさ、ビブラートの音の伸びは確実に良くなりました、
特にビブラート時のサスティンが音の切れ際でフレットと弦が擦れる「カサカサ」音で音が消えていくところもスーッと音が伸びるので全体的なサスティンは伸びたと実感できます。
また、施行前での押弦の強さのまま弾くとフレットがツルツルな分、若干ツルっとチョーキングが入ってします。
ある意味、押弦に無駄な力が入っていたことを気付かされました。

結論として、フレット磨きは演奏性向上と音の伸びの両方に効果がある実感できました。
あまり磨き過ぎてもフレットが磨耗してしまうので1年か半年に1回はフレット磨きをやろうと思います。




Fender ストラトの 標準セットアップ

買ってからほぼ調整せずに使い続けてきた、フェンダー アメリカン・スタンダード ストラトを調整してみました。
購入時は、お店のほうですごく弾きやすい状態でセットアップされ、かなり弦高は低めでしたが、すごく弾きやすい状態でした。
しかしながら、フレットも減り、弦交換すると張り換えた弦のバラツキの問題か段々とビビリが出てきました。

今回、フェンダーUSAオーナーズマニュアルなるものを発見したのでこれに書かれているフェンダーUSAが出荷時の基準とするセットアップに再調整し直してみようと思います。
ちなみにオーナーズマニュアルはここからダウンロードできます。

まずはトラスロッドの調整

いきなりのロッド調整です。
1フレットにカポを付け、6弦の最終フレットを押さえた状態で6弦8フレットの弦間が.010になるよう調整します。
.010インチは、0.254mmです。
はがき1枚の厚みが大体0.2-0.3mmです。

アメスタのネックのロッドねじはネックのヘッド側についています。
オーナーズマニュアルではネックエンド側からネックのヘッド側を見た時に時計回りだと緩める(順反りさせる)、反時計周りで締める(逆反りさせる)となります。

僕のギターはほぼストレートに近い、ちょっとだけ順反りでしたのでもぉチョイ順反らせる為にロッドを少し緩めました。
写真で分かりにくいですが、1フレットにカポつけて最終フレット押さえ、7フレット上で弦をタップした時にカチカチと音が鳴れば隙間を確認できるので順反っていることを確認できるでしょう。
厳密には0.2mmのすきまゲージ又は、はがきがで隙間をチェックしたいところです。
はがきはストンと隙間を抜けてしまいますが、厚みが0.5mmのピックは全く通らないのでとりあえず良しとします。

弦高調整

次に弦高を調整します。
17フレット上にて各弦の高さ(フレット上面から弦下面の間)を4/64インチにします。
4/64インチは約1.5mmです。(案外低いんですね!?正確には1.58mmです。)
6弦から1弦まで各弦の高さを1.5mmにします。
ストラトの場合、各弦のブリッジサドルの2本のイモビスで高さを調整します。

写真ではギター調整のゲージ ストリングアクションルーラーなるものを使っています。
こういうのがないと正確にはかれないんで。。。

サウンドハウスで見る

これを使って6弦から1弦まで各弦の弦高が1.5mmになるように調整してみました。
するとトレモロブリッジのサドルの高さも自ずと3,4弦が頂点となる山なりになりました。

ちなみに元のセッティングは弦高が1.2-1.3mm位でしたので0.2mmほど弦高を上げたことになります。

ピックアップの高さ調整

弦高調整の次はピックアップの高さ調整です。
フェンダーUSAのストラトは各モデルごとに搭載ピックアップが異なり、ピックアップにより基準となる高さが設定されています。

ピックアップ  6弦側        1弦側 
Texas Special 8/64インチ (3.6 mm) 6/64インチ (2.4 mm) 
ヴィンテージ・スタイル 6/64インチ (2.4mm) 5/64インチ (2 mm) 
Noiseless™ 8/64インチ (3.6 mm) 6/64インチ (2.4 mm) 
スタンダード・シングルコイル 5/64インチ (2mm) 4/64インチ (1.6 mm) 
ハムバッキング 4/64インチ (1.6mm) 4/64インチ (1.6 mm) 
Lace Sensor お好みによって設定 お好みによって設定 

ピックアップの高さは最終フレットの弦を押さえた状態でポールピース上端から弦の下面で計測します。
6弦と1弦でそれぞれ調整します。
調整はピックアップを固定しているねじを時計回り=上げる、反時計回り=下げる、です。

最終フレット押さえながら、ゲージを押さえながらの撮影の為、ボケてますが、こんな感じです。

僕のアメスタストラトだとFender Custom Shop FAT50'sシングルコイルピックアップなのですが、上のリストだとどれか分からなかったんでとりあえずヴィンテージスタイルで合わせることにします。(6弦2.4mm、1弦2mm)

2/26追記)FAT50'sはTexas Special,NoiseLessピックアップに次いで高出力でした。
ヴィンテージスタイルと書いてあるほうはAmerican Vintageシリーズのピックアップを指すようです。
なのでTexas Special同様のセッティング(6弦3.6mm、1弦2.4mm)に合わせることにします。


オクターブ調整

これについては、弦交換で必ずやるものなんで今回は割愛します。

とえあえず終わったんで音出し&弾いてみる

今回、フェンダーUSAの標準セットアップを試みたわけですが、今回セットアップを施したギターが元々弦高低めだったので結果だけ見ると弦高を0.2mm程上げた感じです。
弦高を上げたので、ビビリ音は減り、弦のテンションは上がり生鳴りはよりMIDが出て太くガッツのある響きになりました。このギターに張っている弦のゲージは09-42ですが今までよりも1、2弦の響きも良くなりました。
ただ、弾き易さは当然今までより落ちました。
でも、それは他に所有するPRS等と同じレベルの弾き易さなので特に問題はありません。(今までが異常に引きやすかったので)

弦のテンションが上がったせいかカッティングの切れが良くなったと思います。
アンプの出音ですが、柔らかい感じからMIDが出てパキーンとした音が強くなってしまったので、今後ピックアップ高さ等を更に詰めてみようと思います。

2/26追記)
最初、FAT50'sにも関わらずヴィンテージピックアップのセッティング(6弦2.4mm、1弦2mm)を施した為、MIDが強く出過ぎてガチャガチャした音になってしまいましたが、Texas Special等、パワーのあるピックアップと同じセッティング(6弦3.6mm、1弦2.4mm)にした所、心地良い感じの音になりました。

2/28追記)
調整後しばらくチェックしていましたが、6弦の7フレット~9フレットで僅かなビビリが発生しているせいかピッキングハーモニクスのような音(ウルフトーン)が出るようになってしまいました。
ビビるだけならまだ良いのですが、ビッ、カーンと甲高い音がなってしまい演奏になりません。
弦高を2mmにしてみても改善せず、弦高は1.6mm程度に戻しトラスロッドを締め、順反りを弱めてみました。
ウルフトーンは解消しましたが、6弦4フレット以降で若干ビビッている感じです。
こんなもんかとするか、弦高を上げるかは様子を見て判断しようと思います。

私が弦の交換やメンテナンスで愛用しているのがMUSIC NOMADのメンテグッズ。
下記は5点セットですが、それぞれバラで買えますし、お手頃だけどそれ以上に使い易くおススメです。

弦交換に必要なアイテムがすべてそろったオール・イン・ワンセット。5つのツールはすべて収納ボックスに入っています。

■弦交換5点セット
■セット内容
クレードルキューブ・ネックサポート
GRIPストリングカッター
GRIPストリングワインダー
TUNE-IT
Octopus Tech Tool

サウンドハウスで見る
弦交換に必要なアイテムがすべてそろったオール・イン・ワンセット。5つのツールはすべて収納ボックスに入っています。
■弦交換5点セット
■セット内容
クレードルキューブ・ネックサポート
GRIPストリングカッター
GRIPストリングワインダー
TUNE-IT
Octopus Tech Tool

サウンドハウスで見る

2018年2月22日

Gibson 倒産の危機!

ギブソンが米国にて連邦破産法第11章に基づく更正手続きの適用申請を行う可能性が高いとの2/20付けのロイターの記事がありました。
まあ財務的に非常に厳しい見通しであり、いわゆる倒産寸前という状況だそうです。

日本のギター業界も停滞気味と聞いていますが、本家本国のアメリカにおいてもギター業界そのものが非常に厳しいようです。
ギブソンのライバル、フェンダーも同様で最近はCEOが変わり、ブランディングに注力しているようですが、収益性が厳しい状況で新規株式公開を目指してものの取りやめたとのこと。
また、米国内ではギター大手小売のギターセンターも財務的に非常に厳しい状況のようです。
ギブソンが何故ここまで経営が厳しくなったかというと日本のオーディオメーカであるオンキョー、TEACを買収したけどそれ以上の収益を出せず、大きく財務を圧迫している結果となっているようです。

これまでにも、ギブソン、フェンダーは買収され品質低下などで倒産寸前の厳しい時期があったりもしたようですが、現在の大きな問題は根本的に若者のギター離れが一番の原因のようです。
米国におけるギターのイメージはクールなロックスターではなく、腹の出たオッサンのイメージになってしまっているようです。
確かにエンドース契約している大物アーティストは若手はいなくて80年代って感じになってしまいます。
日本のギターを取り巻く状況も米国に近い状況かも知れません。

なのでいくらギターの品質を上げようがいくらコストを下げようが若者の間にギターブームが来ない限り見通しは厳しい状況にあると言えます。

そして、とりあえずこれからギターを始めようとする購買層の人はギブソンの低価格帯ブランドでもあるエピフォンで十分満足できる品質となっているので、そこから更にステップアップして本家ギブソンを手にしたい層が大きく増える必要もあるでしょう。
富裕層、マニア向けな高価格帯(恐らくカスタムショップ)の製品市場は今の所安泰のようです。

インドネシア等の新興国では若者の人口も多く、自国のロックバンド等が盛り上がりギター人口も増えているのではと思うのですが、そういった国だとギブソンは高額過ぎるのに加え、気候的にギターのコンディションを維持するのが難しいので超富裕層の人しか手が出せないような気がします。
そういった意味では中国、韓国、インドネシアといった国で生産されたギターの方が手にしやすいかも知れません。

ここ最近のギブソンはギブソンブランドとして低価格帯に製品リリースしたりと迷走なのか苦肉の策なのでしょうが、やはりエピフォンと低価格のゾーンで食い合うのではなく棲み分けしていた方が良いんではないかなーと思ったりもするのですが、ことギターに関しては傾向としてローエンドかハイエンドが売れて中間層が売れない。
ローエンドのエピフォンとハイエンドのカスタムショップは売れているけど本家かつ中間層のギブソンのレギュラー品が売れない、ギターを買おうとしている人をマーケティングで見るとそんな感じな気がする。。。

いずれにせよ、新たに強烈なギターヒーロー、ロックスターが誕生してもらってギターに関心を持つ若者が増えないとです!

ギブソンには何とか自力でこの危機を乗り越えてもらいたいです!!!
なんかこのままだと融資を募った結果、中国資本の企業とかに買収されてしまいそう…
そうなるとロックの象徴がロックに所縁ない国、会社にお金で買われてしまう感じでなんか嫌だな…