ギブソンが米国にて連邦破産法第11章に基づく更正手続きの適用申請を行う可能性が高いとの2/20付けのロイターの記事がありました。
まあ財務的に非常に厳しい見通しであり、いわゆる倒産寸前という状況だそうです。
日本のギター業界も停滞気味と聞いていますが、本家本国のアメリカにおいてもギター業界そのものが非常に厳しいようです。
ギブソンのライバル、フェンダーも同様で最近はCEOが変わり、ブランディングに注力しているようですが、収益性が厳しい状況で新規株式公開を目指してものの取りやめたとのこと。
また、米国内ではギター大手小売のギターセンターも財務的に非常に厳しい状況のようです。
ギブソンが何故ここまで経営が厳しくなったかというと日本のオーディオメーカであるオンキョー、TEACを買収したけどそれ以上の収益を出せず、大きく財務を圧迫している結果となっているようです。
これまでにも、ギブソン、フェンダーは買収され品質低下などで倒産寸前の厳しい時期があったりもしたようですが、現在の大きな問題は根本的に若者のギター離れが一番の原因のようです。
米国におけるギターのイメージはクールなロックスターではなく、腹の出たオッサンのイメージになってしまっているようです。
確かにエンドース契約している大物アーティストは若手はいなくて80年代って感じになってしまいます。
日本のギターを取り巻く状況も米国に近い状況かも知れません。
なのでいくらギターの品質を上げようがいくらコストを下げようが若者の間にギターブームが来ない限り見通しは厳しい状況にあると言えます。
そして、とりあえずこれからギターを始めようとする購買層の人はギブソンの低価格帯ブランドでもあるエピフォンで十分満足できる品質となっているので、そこから更にステップアップして本家ギブソンを手にしたい層が大きく増える必要もあるでしょう。
富裕層、マニア向けな高価格帯(恐らくカスタムショップ)の製品市場は今の所安泰のようです。
インドネシア等の新興国では若者の人口も多く、自国のロックバンド等が盛り上がりギター人口も増えているのではと思うのですが、そういった国だとギブソンは高額過ぎるのに加え、気候的にギターのコンディションを維持するのが難しいので超富裕層の人しか手が出せないような気がします。
そういった意味では中国、韓国、インドネシアといった国で生産されたギターの方が手にしやすいかも知れません。
ここ最近のギブソンはギブソンブランドとして低価格帯に製品リリースしたりと迷走なのか苦肉の策なのでしょうが、やはりエピフォンと低価格のゾーンで食い合うのではなく棲み分けしていた方が良いんではないかなーと思ったりもするのですが、ことギターに関しては傾向としてローエンドかハイエンドが売れて中間層が売れない。
ローエンドのエピフォンとハイエンドのカスタムショップは売れているけど本家かつ中間層のギブソンのレギュラー品が売れない、ギターを買おうとしている人をマーケティングで見るとそんな感じな気がする。。。
いずれにせよ、新たに強烈なギターヒーロー、ロックスターが誕生してもらってギターに関心を持つ若者が増えないとです!
ギブソンには何とか自力でこの危機を乗り越えてもらいたいです!!!
なんかこのままだと融資を募った結果、中国資本の企業とかに買収されてしまいそう…
そうなるとロックの象徴がロックに所縁ない国、会社にお金で買われてしまう感じでなんか嫌だな…